vol.11 見積で100万円変わるポイント|大きく削るより“小さく積み重ねる”が正解

木の温かみを感じる住宅の夜景外観

「この見積り、もう少し安くなりませんか?」
家づくりでは、ほとんどの方が一度はそう思います。
ただ実際には、

👉 1項目だけで100万円下げる

というのは、かなり難しいです。
特に住宅の規模が小さくなるほど、
1つの変更で減額できる金額は小さくなります。
ですが、

👉 小さな減額を積み重ねれば、100万円の調整は十分可能

です。
大切なのは、
「どこを削るか」ではなく
どう納得して調整するかです。


「一式」の見積りでは減額しにくい

まず重要なのが、見積りの中身です。
例えば、

  • 木工事  一式
  • 内装工事 一式
  • 設備工事 一式

このように「一式」が多い見積りでは、
何を減らせるのかが見えません。
結果として、

👉 「少し頑張ります」

という施工者側の厚意に頼るしかなくなり、
大きな調整は難しくなります。


詳細な図面と見積りがあると減額しやすい

設計事務所が入る場合、

  • 詳細な設計図面
  • 項目ごとに整理された見積り

が作られるため、

👉 双方が納得した形で減額調整がしやすくなります。


「何を残して、何を変えるか」が明確になるためです。


事例① 窓を変えただけで3万円減額

例えば、
廊下の突き当たりに
“景色を見せるため”の大きな開き窓を計画していたケース。
よく考えると、
「開けたい」のではなく


👉 「視線が抜ければいい」


という目的でした。
そこで、
  • 大きな開き窓
    ↓
  • FIX(はめ殺し)の小窓
に変更しただけで、

👉 約3万円の減額

ができました。
性能や使い勝手を落とさず、
目的を整理することで減額できた例です。

事例② 平屋にこだわりすぎず50万円減額

平屋を希望されていたお客様で、
プランを詰めるうちに建物がどんどん大きくなり、予算も膨らんでいました。
そこで、
  • 平屋の印象は残しつつ
  • 子ども部屋だけを2階へ
という提案をしました。
すると、

  • 基礎面積
  • 屋根面積

が減り、

👉 約50万円の減額

につながりました。
屋根と基礎はお金がかかる部分なので、
ここを小さくできる効果は大きいです。

八戸の平屋風住宅

家具・設備は“既製品”の活用で変わる

造作家具や設備も、減額しやすいポイントです。
例えば、
  • フルオーダー家具 → 一部分だけIKEAや無印良品などを活用し、寸法が合わないところだけ家具屋さんに製作してもらう
  • システムバスの収納や鏡 → 基本仕様から外して、必要なものだけ後から自分で持ち込む
  • キッチン背面のカップボード → システムキッチンとセットにせず、収納量を見直して必要な分だけ後から用意する
といった方法です。
特に、
「最初から全部つける前提」
になっている部分は、見直す余地が大きいです。
例えば、
システムバスの鏡や棚は
「掃除が面倒だから不要だった」
というケースもよくあります。
また、
キッチン背面収納も
「標準でついていたけれど、実際はそこまで収納量がいらなかった」
ということもあります。
こうした部分を整理することで、
数万円〜数十万円の調整が可能です。
もちろん、

👉 どこをこだわって、どこを既製品や後付けにするか

の判断が重要です。
全部を安くするのではなく、
優先順位を整理することが大切です。

キッチンカップボード

「施主支給」は本当に得なのか?

減額方法としてよく出るのが

👉 施主支給

です。
照明や水栓、設備機器、家具などを
自分で購入して支給する方法です。
たしかに額面だけを見ると安く見えます。
ですが、実際には

  •工事の流れを止めずに発注する
  •品番を間違えない
  •納期を管理する
  •破損や初期不良の対応をする

これをすべて自分で行う必要があります。
例えば、たった1文字違うだけで全く違う商品が届くこともあります。
しかも、

  •間違って発注した
  •運送中に破損した
  •商品に初期不良があった

こういった場合、
責任の所在が曖昧になりやすく、トラブルにつながることも少なくありません。
結果として、

👉 数万円を削ったつもりが、大きなストレスになることもあります。

基本的には、あまりおすすめしません。


減額しすぎると家づくりはうまくいかない

ここも大事なポイントです。
施工者も、

👉 いい建物をつくりたい

という気持ちは当然あります。
ただ同時に、

👉 会社として利益を出す必要もある

のも現実です。
必要な経費まで無理に削ろうとすると、

  •現場との関係が悪くなる
  •品質にしわ寄せがいく
  •結果として満足度が下がる

こともあります。
減額は、

👉 相手を値切ることではなく
👉 納得できる形に整えること

が大切です。

見えない経費をどう見るか

見積りには、
  •管理費
  •諸経費
  •現場経費
など、目に見えにくい金額も多く含まれています。
これが
  •本当に必要な経費なのか
  •念のため多めに見ているだけなのか
を見極める必要がありますが、それは簡単ではありません。
そういったチェックを自分ではできないと考える場合は

👉 施工と設計を分けて、設計者が内容を精査する

という方法もあります。
詳しくは、 「設計と施工が分かれると何が変わる?」 をご参照ください。

まとめ

100万円の減額は、

👉 一発で削るものではなく
👉 小さな判断を積み重ねるもの

です。

  • 詳細な見積りにする
  • 本当に必要なものを整理する
  • 設計で弱点をカバーする
  • 無理な減額をしない

この積み重ねが、
納得できるコスト調整につながります。

ご相談について

「この見積り、減額できる?」
「削ってはいけない部分はどこ?」
家を建てたいと思った時には、必ずぶつかる壁です。
見積りは、
ただ安くするためではなく、

👉 納得して家を建てるため

に見るものです。

▶ 青森ヒバの家についてのご相談はこちら 1952HINOKIYA一級建築士事務所

※関連記事
・住宅建築費のコストバランス
・設計事務所って高いでしょ?
・設計と施工が分かれると何が変わる?


お問い合わせ

檜屋木材店・ 1952HINOKIYA一級建築士事務所へのお問い合わせはこちらから。

目次