家づくりで大切なことは何でしょうか。
性能でしょうか。デザインでしょうか。間取りでしょうか。
もちろんどれも大切ですが、私が家づくりで本当に大事だと思うのは「想像力」です。
ただし、特別な能力が必要なわけではありません。
「将来のことなんて分からない」
「自分には想像力がない」
そんなふうに思う必要はありません。
ほんの少しだけ先の暮らしを考えてみる。
それだけでも家づくりは大きく変わります。

想像力といっても難しく考えなくていい
家づくりの打合せをしていると、
- 子どもが小学校に入ったらどうなるだろう
- 中学生になったらどう過ごすだろう
- 子どもが家を出たら部屋はどう使うだろう
そんな話になることがあります。
もちろん、その通りになるとは限りません。
人生は予想外の連続です。
だからといって何も考えなくていいわけではありません。
完璧に未来を当てる必要はなく、「なんとなくこうなるかもしれない」と考えてみるだけで十分です。

ハレの日よりケの日を考える
家づくりでは、どうしても理想の暮らしを思い描きます。
- 友人を呼んでBBQをしたい
- テラスで朝食を食べたい
- お客様が泊まれる部屋がほしい
どれも素敵なことです。
ただ、その暮らしは年に何回あるでしょうか。
一方で、
- 朝起きる
- 洗濯をする
- 掃除をする
- ご飯を作る
- 子どもを送り出す
こうした毎日の暮らしは365日続きます。
家づくりでは特別な日のための空間よりも、毎日のルーティンを優先して考えることが大切です。
今の暮らしだけで決めない
保育園に通う子どもがいる家庭では、今の暮らしが基準になりがちです。
しかし数年後には小学生になり、中学生になり、高校生になります。
今は家族みんなで遊んでいても、そのうち友達との時間が増えていきます。
子ども部屋が必要になるかもしれません。
逆に、将来は空き部屋になるかもしれません。
そこまで考えることで、
「本当に部屋は必要か」
「将来仕切れるようにしておこうか」
「必要になったら増築も選択肢に入れようか」
という考え方もできるようになります。

将来の変化に備えるという考え方
以前、設計中に新しい家族が増えることが分かったご家族がいました。
工事スケジュールの関係で大きな設計変更は難しい状況でしたが、将来の増築計画をあらかじめ考えておくことで対応しました。
また、2階に浴室を設けた住宅では、
「将来子どもたちが独立したら、夫婦は1階中心の生活になるかもしれない」
という想定から、将来的に1階へ浴室を移設できるスペースを確保したこともあります。
将来どうなるかは分かりません。
それでも選択肢を残しておくことはできます。
図面では見えない暮らしを想像する
ぱっと見の図面の印象では何気ない事でも
実際の暮らしを考えてみると、実は必要だっとことが見えてくることもあります。
例えばトイレ。
さほど広さのない住宅の場合、トイレは1階に1つだけで十分という考えもあります。
しかし、
- 体調を崩して2階から降りるのがつらい時
- 感染症で家族を分けて生活したい時
などを考えると、違う見方もできます。
大切なのは正解を探すことではなく、自分たちの暮らしを想像することです。
迷ったら今の暮らしを優先していい
ここまで未来のことを考えましょうと書いてきましたが、考えすぎて決められなくなることもあります。
そんな時は今の暮らしを優先することも大切です。
家づくりに絶対の正解はありません。
未来を少し想像しながら、最後は今の自分たちに合った選択をする。
それで十分です。
まとめ
家づくりで本当に大事なのは、特別な知識でもセンスでもありません。
少しだけ先の暮らしを想像してみることです。
子どもの成長。
毎日の家事。
将来の暮らし方。
すべてを予測することはできません。
それでも少し想像しておくだけで、家づくりの選択肢は増え、後悔は減らせます。
家づくりは家を建てることではなく、暮らしをつくること。
だからこそ、図面を見る前に、まずは家族の未来を少しだけ想像してみてください。

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