vol.32 家づくりで本当に大事なのは「想像力」

家づくりは想像力

家づくりで大切なことは何でしょうか。

性能でしょうか。デザインでしょうか。間取りでしょうか。

もちろんどれも大切ですが、私が家づくりで本当に大事だと思うのは「想像力」です。

ただし、特別な能力が必要なわけではありません。

「将来のことなんて分からない」
「自分には想像力がない」

そんなふうに思う必要はありません。

ほんの少しだけ先の暮らしを考えてみる。

それだけでも家づくりは大きく変わります。

想像力といっても難しく考えなくていい

家づくりの打合せをしていると、

  • 子どもが小学校に入ったらどうなるだろう
  • 中学生になったらどう過ごすだろう
  • 子どもが家を出たら部屋はどう使うだろう

そんな話になることがあります。

もちろん、その通りになるとは限りません。

人生は予想外の連続です。

だからといって何も考えなくていいわけではありません。

完璧に未来を当てる必要はなく、「なんとなくこうなるかもしれない」と考えてみるだけで十分です。

天井を高くしなくても広く感じる方法

ハレの日よりケの日を考える

家づくりでは、どうしても理想の暮らしを思い描きます。

  • 友人を呼んでBBQをしたい
  • テラスで朝食を食べたい
  • お客様が泊まれる部屋がほしい

どれも素敵なことです。

ただ、その暮らしは年に何回あるでしょうか。

一方で、

  • 朝起きる
  • 洗濯をする
  • 掃除をする
  • ご飯を作る
  • 子どもを送り出す

こうした毎日の暮らしは365日続きます。

家づくりでは特別な日のための空間よりも、毎日のルーティンを優先して考えることが大切です。

今の暮らしだけで決めない

保育園に通う子どもがいる家庭では、今の暮らしが基準になりがちです。

しかし数年後には小学生になり、中学生になり、高校生になります。

今は家族みんなで遊んでいても、そのうち友達との時間が増えていきます。

子ども部屋が必要になるかもしれません。

逆に、将来は空き部屋になるかもしれません。

そこまで考えることで、

「本当に部屋は必要か」
「将来仕切れるようにしておこうか」
「必要になったら増築も選択肢に入れようか」

という考え方もできるようになります。

将来の変化に備えるという考え方

以前、設計中に新しい家族が増えることが分かったご家族がいました。

工事スケジュールの関係で大きな設計変更は難しい状況でしたが、将来の増築計画をあらかじめ考えておくことで対応しました。

また、2階に浴室を設けた住宅では、

「将来子どもたちが独立したら、夫婦は1階中心の生活になるかもしれない」

という想定から、将来的に1階へ浴室を移設できるスペースを確保したこともあります。

将来どうなるかは分かりません。

それでも選択肢を残しておくことはできます。

図面では見えない暮らしを想像する

ぱっと見の図面の印象では何気ない事でも

実際の暮らしを考えてみると、実は必要だっとことが見えてくることもあります。

例えばトイレ。

さほど広さのない住宅の場合、トイレは1階に1つだけで十分という考えもあります。

しかし、

  • 体調を崩して2階から降りるのがつらい時
  • 感染症で家族を分けて生活したい時

などを考えると、違う見方もできます。

大切なのは正解を探すことではなく、自分たちの暮らしを想像することです。

迷ったら今の暮らしを優先していい

ここまで未来のことを考えましょうと書いてきましたが、考えすぎて決められなくなることもあります。

そんな時は今の暮らしを優先することも大切です。

家づくりに絶対の正解はありません。

未来を少し想像しながら、最後は今の自分たちに合った選択をする。

それで十分です。

まとめ

家づくりで本当に大事なのは、特別な知識でもセンスでもありません。

少しだけ先の暮らしを想像してみることです。

子どもの成長。
毎日の家事。
将来の暮らし方。

すべてを予測することはできません。

それでも少し想像しておくだけで、家づくりの選択肢は増え、後悔は減らせます。

家づくりは家を建てることではなく、暮らしをつくること。

だからこそ、図面を見る前に、まずは家族の未来を少しだけ想像してみてください。

吹抜けに面した二階廊下に造作した家族共有の本棚

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